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2007-10-31 Wed 17:24
「扇子商法」(和田亮介著・中公新書)を読む。
この本は,大阪船場の傑出した商人であった和田哲夫氏の商いに対する考え方を孫の和田亮介氏が書き綴ったものである。400年以上の歴史を誇る大阪船場で,戦前戦後と厳しい競争を生き抜いた和田哲夫氏の考え方は非常に示唆に富む。特に印象に残った一節は,和田哲夫氏は会社の利益や売上の増大などは眼中になく,ただただ企業の永遠性を目指したという点である。 市場で熾烈な競争を繰り広げる企業は,規模の拡大或は経営の合理化の観点からM&A(企業合併,企業買収)の検討,若しくは会社を乗っ取られないよう買収対策を考えなければならないのが現状。 M&Aは投資の一手法として中国においても脚光を浴びているが,日本においても非常に盛んである。 特に最近は敵対的買収も珍しくない。 この敵対的買収の場面において,必ずと言っていいほど議論されることがある。それは,会社は誰のものかという古くて新しい議論である。 法律的に言えば,会社のオーナーは出資者である株主ということになると思うが,社会経済的の視点からみると,会社は株主だけのものではなく,従業員や取引先を含む会社を取りまく利害関係人のものでもあるとも言えるかもしれない。 和田哲夫氏は,企業は企業に関わる人の生活の一部であり,企業の永遠性を目指すことによって初めて,これら利害関係人の信用を守ることができると考えていたのではないだろうか。 この本を通じて,企業経営の原点を再認識したように思う。 |
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2007-10-21 Sun 09:24
昨日から一泊二日で陽澄湖に行って来た。大学の国際交流処(留学生担当課)は,毎年一回,留学生のための国内旅行を企画している。旅行に要する費用は全て大学の負担で,留学生は無料で参加できる。去年,国際交流所から参加しないかとの連絡があったのだが,無料であるからには,どうせ安いホテルに泊まって,馬馬虎虎(いまひとつの意)な料理を食べるだけだと想い込み,参加を見送った。今年は,行き先が陽澄湖(上海蟹の名産地)と聞き,また家族も無料というので,ワイフを連れて参加することにした。すると,ホテルは五星級のリゾートホテルというではないか。そんな金があるなら,学費を安くしろと考えるのは曉だけであろうか。
朝午前9時に観光バスに乗り込み,陽澄湖に向う。途中,「錦渓」という水郷の街を遊覧。 自由行動時間が1時間ほどあったので,ワイフと水郷の街を散策し,「文昌閣」というお寺に参拝した。寺院に入ると,親切なお坊さんが線香(中国式で,日本の線香の3倍ぐらいの大きさがある)を曉に手渡し,祈祷の仕方を教えてくれた。お祈りのあと,少し離れたところに坐っているお坊さんに声をかけられたので,近くに行ってみた。 すると,お坊さんは曉の掌に仏を描いた黄色い布をのせ,「アーミートゥーホ(阿弥陀仏)」と何度も唱え,「この布を持っていれば,家内安全です。貴方だけでなく,貴方の家族も今後平穏無事です。この黄色い布に貴方と家族の名前を書いて,きちんと保管して下さい。・・・・」と言う。そして,名簿のようなものを出し,「ここに『一生平安』と書いてください。」と言い,さらに続けて「ここにお布施の金額を書いてください。699という数字が一番ありがたい数字です。」と言う。699元と言ったら,日本円にして約1万円である。「そんなお金はないよ。」と言うと,「私の話を聞きなさい。」「私には分る。貴方はお金を持っている。アーミートゥーホ,アーミートゥーホ。これは非常にありがたいものです。」ときた。最初,曉は面白がって坊さんの相手をしていたのだが,699元のお布施を出せとなかなかしつこい。曉はお坊さんに「そんな大金は持っていないから,もういいよ。」と黄色い布を返すと,このお坊さん「分った。499元でいい。」と言う。「99」(9は久と同じ発音であるため,永遠を意味する有り難い数字と考えられている)という数字は譲れないらしい。中学,高校と仏教系の学校に通い,少し仏教を学んだ曉としては,「アーミートゥーホ,アーミートゥーホ」とお祈りをされたにもかかわらず,お布施を一銭も払わずに立ち去るのは少し気分が悪い。そこで,199元で手を打つことにした。 ワイフも,別のお坊さんの祈祷を受け,お布施を渡すことになったのだが,ねぎって99元までまけさせたようだ。すると,お坊さんは,霊験あらたかな黄色い布を取り上げ,「あなたは99元だから,『一生平安』の『一生』の部分は略し,『平安』だけです。」と言ったとか。 中国での値段交渉にはかなり慣れた曉だが,お布施をめぐって値段交渉をすることになろうとは。中国では,信仰においてもネゴシエイトが必要なようだ。 |
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2007-10-18 Thu 09:31
日頃親しくしている研究生のC君は,授業が終わるやいなや,いつも教室を飛び出していく。それまで「ああだ!こうだ!」と話をしていたにもかかわらず,授業終了後は,曉に一言声をかけることもなく,さっさと帰るのだ。曉はこれもさっぱりした中国人の習慣なのだろうと特に気にもかけなかったのだが,その理由が今日分かった。
大学内には,四つほど食堂があるのだが,比較的美味しい食堂は規模が小さく,早く行かないと定食を食べ損ねることになる。講義中,C君が曉に「いつも何処で昼ごはんをたべているの?」と聞くので,「じゃあ,一緒に食べようか。」ということになり,彼のダッシュに付き合うことになった。 たかが飯,されど飯,中国人の旺盛な競争心は生活の隅々に浸透しているように思う。 |
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2007-10-15 Mon 09:14
今日は日本語倶楽部の二回目の授業。
画用紙に,一枚一枚「あ」とか,「た」とか書いた小道具を持参。部員が五十音を覚えているかチェックすることにした。 授業をするからには,生徒を厭きさせないよう工夫が必要だ。ワイフは小学校の教師なので,こうした小道具を作るのはお手のもの,この点大いに助かった。 授業開始前,部員のZ君が教壇のところにきて,曉に研究生(大学院生)の前で日本の現状(主に経済,その他政治や法律)について話をしてくれないのかという。Z君は曉のクラスメートで,非常に真面目で優秀な好青年である。 Z君曰く, 「僕達は国の外で今何が起こっているかを知りたいと渇望しているのです。」。 「OK,没問題。」。 熱い気持ちには,熱い気持で応えましょうと,快諾。 こうしたことから,曉は一ヵ月後彼らの前で講演をすることになった。 当然,中国語での講演なので,今の曉には少し荷が重いかもしれない。 しかし,彼らに少しでも母国日本のことを理解してもらえる絶好の機会だ。気合を入れて臨むことにしたい。 もともと,曉は人前で話すことが嫌いではない。否,好きと言った方がいい。日本語倶楽部で日本語を教えてみて,この点を再認識した。 自己顕示欲が強いというのではない,何と言ったらいいだろうか,目の前にいる人たちに少しでも役に立っているということが何とも嬉しいのだ。 |
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2007-10-13 Sat 13:48
昨日はオーストラリア在住のPさんと,今日はニューヨーク在住のI君と夕食をともにした。
Pさんは税理士のT先生の紹介で知り合い,その後ヨット(P氏が友人と共有)に乗せてもらうなど,男の遊びを教えてくれた人である。曉よりひと回り半ほど年上だが,人生の楽しみ方の達人で,人間そういう生き方もあるのかと啓発されることが多い。 I君は,大学時代の友人である。Jリーグが開幕したころ,曉は何人かの友人と一緒にサッカーチームを立ち上げたのだが,所詮素人の集団,このチームをサッカーチームと言えるレベルに引き上げたのが,曉の1年後輩のI君だった。このチームは,今でこそメンバー数十名,女子チームをも持つサッカーサークルに成長したが,曉は今でも,I君達4〜5名のメンバーと大学のグラウンドの片隅でアメフト部やサッカー部の練習に気兼ねしながら,サッカーに夢中になっていたころのことを思い出す。 Pさんも,I君も出張で上海に来たのだが,今会っておかないと次に会えるのは何年後になるか分からない。 そこで,スケジュールを調整したところ,連日の会食となった。Pさんからは料理の嗜みの必要を教えられ,I君からはニューヨークでの生活についていろいろ教えてもらった。日本人だろうと,外国人だろうと,世界のあちこちに友人がいるというのは,楽しい。本を読むだけでは分からない,生の情報に,また面白い考え方に接することができる。 ネットで外国の友人と気軽にチャットができる世の中になったが,顔を突き合わせ,食事を共にする。 これは何ものにも代えられない悦びではないだろうか。 |
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2007-10-08 Mon 09:17
曉にとって第二の母校である華東政法大学に何らかの貢献をしたいと考え,大学院の研究生達に日本語を教えることにした。
親しくしているO君に世話役になってもらって,今日が第1回目のレッスン。 会話を中心にレッスンをしたいのだが,これまで日本語など勉強したことのない人ばかりなので,「あ・い・う・え・お」から始めた。 今後,週一回のペースで彼らに日本語を教える予定である。 参加者は約30名,その大半は女性である。 中国人は語学のセンスがいいので,上達は早いのではないかと思う。 今は無理だが,いずれは日本の法制度や日本の文化などを紹介しようと考えている。 この30名の中から,日中の架け橋になるような法律家が生まれてくれれば,,,,と期待は膨らむばかりである。 |
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2007-10-01 Mon 09:15
今年3月16日に制定された中華人民共和国物権法が本日施行される。
その記念すべき日に,曉は大阪弁護士会の渉外実務研究会で,この物権法を講義した。 パワーポイントを使って,できるだけ分かりやすく説明したつもりなのだが,限られた時間の中で物権法という市場経済の根幹にかかわる重大な法律を詳細に説明するのは難しい。 所有ひとつをとっても,全民所有,集体所有,個人所有と三つの類型がある。これらは中国の歴史や国情に言及しなければ,理解できない代物である。 研究会に参加した弁護士の大半は,曉にとっては大先輩である。 中には非常に高名な先生もいた。厳しい質問が飛んでくるのではないかと,さすがの曉も発表前はいたく緊張した。 一通り説明を終え,質疑応答の際には,中国法に詳しいM先生やK先生にサポートしていただいたおかげで,大役を無事終えることができた。 研究会後の懇親会,ひさびさの日本の生ビール。 ひと仕事終えて飲むビールの味はやはり格別だ。 |
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| 暁弁護士の中国日記 |
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