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『中国のかたち』
2007-05-07 Mon 09:33
世界には170以上もの国があり,各国はそれぞれ独特のかたちをもつ。
統治の仕組みをみると,大統領制を採用し,大統領,議会,裁判所が三極に分立しているアメリカ,議員内閣制を採用し,内閣,国会,裁判所が分立している日本,両国の統治制度は立法機関と行政機関との関係ひとつをみても大きくことなる。
しかし,日本もアメリカも国家権力を立法権,行政権,司法権の三つに分け,それぞれ三つの機関に分担させて,相互に抑制均衡を図る三権分立制を採用している点では共通する。
この三権分立の狙いは,能率的な国家統治を実現することにあるのではない。むしろ行政機関,立法機関,司法機関の三者が抑制しあうことによって,国家によって国民の権利が侵害されないよう予防することにある。

この点,中国はどうであろうか。
中国では,国家の権力は全て人民に帰属するものとされており(中華人民共和国憲法2条1項),全国人民代表大会(以下「全人代」と略称)を通じて人民は権力を行使するとされている(同条2項)。
全人代は年に一度開催される会議体ということもあって,普段は全人代常務委員会が全人代にかわり権力を行使する。
全人代と全人代常務委員会は基本的には法律を制定する立法機関なのだが,この両者の下に,行政権を行使する国務院(先日来日した温家宝氏は国務院のトップ),司法権を行使する人民法院(裁判所)や人民検察院(検察庁),そして中央軍事委員会がある。全人代はこれら機関のトップを任免するという人事権を持ち,各機関のトップは全人代及び全人代常務委員会に対して責任を負う。
つまり,本来立法機関である全人代が圧倒的な力を持ち,その立法機関のもとに行政,司法,軍の各種権力機構が属するというかたちをとっているのである。
この点からみれば,中国にはアメリカ流の三権分立という統治システムはないということになろうか。

以上,中国の国の成り立ちについてお話したが,中国の国家主席はどのような役割を担う人なのか?
中華人民共和国憲法をみると,主席は全人代によって選任され,その権限は全人代や全人代常務委員会の決定に基づき①法律の公布,②国務院の総理,副総理,国務委員等国務院の幹部の任免,③勲章等の授与,④特赦の発布,⑤戦争状態の宣布等を行うことである。
また,国事行為を行い,全人代常務委員会の決定に基づき条約の締結等を行う。
このように説明すると,国家主席よりも全人代常務委員会委員長の方が強い権力を持っているのではないかと考える人もいるかもしれないが,それは違う。
共産党の序列1位は胡錦涛氏であり,2位が全人代常務委員会委員長の呉邦国氏,そして3位が国務院総理の温家宝氏なのである。憲法の規定だけを観ると,全人代常務委員会委員長の権限がすこぶる強力に見えるが,国家主席は何と言っても国家の顔である。
また,胡錦涛氏は共産党の総書記であり,中央軍事委員会の主席をも兼任している。
つまり,中国の最高指導者は,国家の顔としての国家主席,共産党のトップとしての総書記,そして軍のトップとしての中央軍事委員会主席のポジションを兼任することによって,強力なリーダーシップを発揮するのである。

中国の憲法を読む限り,三権分立制の基礎にある国家権力に対する不信といった観念は見受けられなかった。実際のところ,国家権力の行き過ぎをどのように抑制しているのか,外国人である曉には正直分りにくい。これは今後の課題としよう。
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