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『中国のIP戦略』
2006-10-19 Thu 12:15
午後の授業を終え,知的財産法学院のK先生の研究室に行くと,今晩,交誼楼で知的財産権の特別講義があるという。午後6時以降は特に予定もなく,面白そうな予感がしたので,講義に参加することにした。
講義開始10分前に指定の大教室に行くと,既に席はなく,立ち見の人で溢れていた。
あまりに受講希望者が多いので,学校側も受講者の便宜を考え,講義の場所を教室から講堂に変更した。

今日の特別講師は,国務院国有資産監督管理委員会の主任D氏。
一見,軍人のような立派な体躯,迫力のある厳つい顔,正直なところ知的財産権の専門家には見えない。特別講義に先立って,K先生がD氏の経歴を研究生に紹介した。
それによると,D氏は,知的財産権の専門家であるが,それ以上に米中間の科学技術協力協議や経済交渉などで中国側担当者として,アメリカの担当者と激しい交渉を繰り広げたネゴシエーターとして有名なのだそうだ。
なるほど,あの迫力なら,アメリカの担当者とも丁々発止のネゴシエイトも可能だろう。
しかし,講義を始めると,D氏はニコニコと笑いながら(満面の笑みで,何とも愛嬌があった。迫力があるだけでなく,愛嬌があることも交渉者の資質なのかもしれない。),時に冗談を交え,アメリカの通商部と交渉した時の逸話や今後の中国の知財戦略について話をした。
2時間にわたる講義だったが,さすが中国を代表するネゴシエーター,話が上手い。
私語する者など一人もなく,受講生は皆D氏の話に聞き入っていた。
D氏は,講義の中で,中国はもっと革新的技術を生み出さなければならない,世界に通用するブランドを生み出さなければならないと力説していた。
世界から技術を輸入することは多いが,独自の技術を海外に輸出することは少ない,世界に通用するブランド力を持った企業はほとんどない。
こうした状況を中国政府は重く見ており,知的財産権の保護(違法コピー商品の取締り)や知的財産権の濫用の規制を促進していくということであった。
特別講義の後,K先生が再び演壇に上がって,D氏にお礼を述べた後,中国の現状を改善することが如何に重要かということを熱く語った。曉は,K先生がD氏に対してお礼を言って講義を締めくくるのだろうと考えていたので,少し面食らった。K先生の言わんとするところは,
「アメリカにはゼネラル・エレクトリックのようにアメリカを代表する世界的企業が,日本にはトヨタが,韓国にはサムソンがある。しかし,上海には,上海を代表するような企業など一つもない。有名な企業は皆外国の企業である。こうした状況を打破するためにも,知的財産法学院の研究生は,中国の遅れている部分を研究し,論文等で研究の成果を積極的に発表していって欲しい。」
ということだった。
実際,K先生は,その点を有言実行されている。
中国では未だ十分に議論されていない消尽論(※)について関心を持っていて,曉はそのK先生の研究をお手伝いしている。
まだまだ,巷にはDVDの違法コピーなどの製品が氾濫しているが,中国は少しずつ変わりつつあるのかもしれない。

※ 例えば,特殊な医療器具について特許権を持つ医療機器メーカーが,自社の製品を他人(卸売業者や病院などのユーザー)に売却した場合,その製品の購入者が同製品を他社に売却したり,貸したり,修理したり,或は若干改良したりしても,特許権者は原則として購入者に対し文句を言うことはできない。これを消尽論という。
法律上,特許権者は独占的に特許製品を生産し,譲渡等することができるが,この権利を無制限に認めると,特許製品の購入者は特許権者の了解を得なければ,他人に譲ることも,貸すこともできない。消尽論は特許製品の流通性を高め,特許技術をひろく世の中に普及させるうえで必要な理論である。
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